UPS(無停電電源装置)設計・開発職への転職(就職)

UPS(無停電電源装置)をご存知でしょうか。
その方式や構造、UPS専用機やUPS機能を併せ持つ機器など様々ですが、主に停電時の電源バックアップ機能のある機器や停電時対応可能なインバータのことと言って問題はないでしょう。

そんなUPSですが、電源・インバータ技術、バッテリ・キャパシタ技術や高調波・EMC関連の対応や最近は外部機器との連携やIoT,ネットワーク対応、小型~中型のUPSはポータブル電源として使用されたりと、以前は企業のPCやサーバの停電障害回避のために導入されることが多かったものが、家庭用の補助電源としての役割も担い始めています。これはリチウムイオン電池の普及によることろが大きいでしょう。

そんなUPSですが、本記事では国内のUPSメーカで開発・設計職の募集がある企業を掲載し、解説しています。UPS関連職への転職(就職)先の選択にお役立て下さい。
この記事は、IGBTを文鎮として愛用している転職技術部のエンジニアが執筆しています。

UPSの基礎知識

UPSとは?

UPSとは何でしょうか。広義にざっくりとは冒頭で紹介したとおりですが、もう少しUPSのコアの部分を掘り下げてみたいと思います。
一般的に、整流器、スイッチやインバータ(電力変換回路)と蓄電部(バッテリやキャパシタ)の組み合わせで構成され、停電や瞬停(瞬時停電)、瞬低(瞬時電圧低下)等の商用電源に異常が発生した際に蓄電池に蓄えられた電力により安定した電力を供給し続けるとともに、電力変換装置の機能によって電源トラブルが機器に与える影響を防ぐ働きをする機器です。

その方式も大きく分けて3種類あり以下のようになっています。
・常時インバータ給電方式(常にインバータが動作)
・常時商用給電方式(停電時インバータに切り替え)
・ラインインタラクティブ方式(双方向インバータを使用)

UPSの概要に関して、詳しくは富士電機株式会社のHPにUPSの紹介があります。

UPSの基礎知識 | 富士電機の電源ソリューション | 富士電機
富士電機のUPSの基礎知識を紹介するページです。

UPS開発に必要な技術

回路要素としては、以下のようなものが挙げられます。
・AC/DC変換回路(整流,PFC回路,高調波対策)
・バッテリ関連(充放電,BMS(バッテリ保護),発熱対策)
・インバータ回路(アクティブフィルタ,EMC,インバータ,PWM)
・制御、マイコン(HMI,電源制御,通信)

ポータブル電源は災害対応やレジャー用途に浸透しつつありますし、V2Hの技術もほぼUPSですね。UPSの技術者はこれからのEVシフトの時代の流れで非常に重宝されるでしょう。中大電力の電源技術者は特に数が少ないです。机上でトレーニングできるような単純な技術ではありませんからね。kW級の電源を扱える電源技術者がどれほどいるでしょうか。そしてこれからもそう多く増産されるとも思えません。

UPS開発・設計関連職の求人

kW級の電源を扱える電源開発職もそれほど多くありません。
以下にUPS関連職の求人がある企業を掲載します。(2020.2.20)

富士電機株式会社(東京都日野市)

古河電池株式会社(神奈川県横浜市)

東芝三菱電機産業システム株式会社(兵庫県神戸市)

株式会社ユタカ電機製作所(埼玉県秩父市)
 ニチコンの100%子会社で、中小型のUPSでは国内シェアNO.1。東京23区内ほぼ全てのJR駅改札機に使われているそうです。

この他にも電池やインバータ等の技術に目を向ければたくさんの求人がありますが、最終製品としてUPSを製造販売している会社で求人を確認出来たものを紹介しています。

上記はどれも有名な企業ですので、知らない会社があったら是非調べてみてください。
具体的な求人は転職エージェント経由で最新の求人状況等を確認することをお勧めします。

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