「リチウムイオン電池関連の開発がしたいが、どのような会社から求人があるのか知りたい。
「エンジニアとして将来性があるのか不安」
このような疑問に4つの視点で答えます。
リチウムイオン電池とは
リチウムイオン電池とは…。こちらのリンクを参考になさってください。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
ひとつ、ノーベル賞受賞者の吉野彰先生も仰っていたように、メカニズムのすべてが分かっておらず、謎が多いプロダクトだということ。
発熱、発煙・発火等の問題に始まり、様々な課題を抱えたままになっているのが現状で、それ故、安全にエネルギーを備蓄するために代替え技術、より良い材料や構造の開発が進められていますが、現在のところ、モジュールやパックとして使われるリチウムイオン電池は周辺回路(保護回路や管理システム)が必要になってきます。
リチウムイオン電池の開発(回路設計)
具体的には充放電用の回路、保護回路、管理システム等の電子回路設計に必要なスキルは以下のようなものがあげられます。
① パワー半導体、インバータ、コンバータ
② バッテリーモデリング
③ マイコン・ASIC・FPGA回路設計、アナログセンサ
④ 各種通信規格、IoT、OTA
今回は、パワー半導体、インバータ、コンバータ関連のスキルを身につけられる企業と募集職種を見ていきましょう。
パワー半導体、インバータ、コンバータ関連の企業12選(2020年1月)
・株式会社明電舎
電気自動車(EV)用モータ・インバータの開発
EV・PHEV用モータの電気設計
・三菱電機株式会社
空調向けのインバータ開発・回路設計
パワー半導体の開発・設計
・ダイキンレクザムエレクトロニクス株式会社
空調機のインバータ開発・回路設計
・ダイキン工業株式会社
大型大容量交流モータの設計
・株式会社マキタ
制御回路・電源回路の設計
・株式会社アドテックプラズマテクノロジー
電気回路設計(高周波電源)
・ヤンマー株式会社
インバータ制御、インバータ設計、パワエレ開発エンジニア
・ローム株式会社
GaNパワーデバイス開発エンジニア
・株式会社デンソー
自動車用パワー半導体の研究開発、次世代パワーモジュールの開発、インバータの回路設計、インバータ・DCDCコンバータの開発
・GLM株式会社
EVのインバータ開発
・日立オートモーティブシステムズ株式会社
電動車向け駆動用インバータ制御の設計・開発
・LG Japan Lab株式会社
インバーター・コンバータの要素開発、家電用モータ/インバータの開発
私が今回調べてみたところ、300を超える求人数がありました。12にまで企業を減らしておきましたので、是非参考にしてください。求人内容から、エンジニアリング会社や直接パワエレ関係の仕事があるか不明確な企業は省いています。
全社おススメです。
業界・エンジニアの将来性と転職
空調機、電気自動車向けを中心にインバータの設計、総合電器メーカ・半導体メーカのデバイス先行開発等の求人が目立ちます。現在のところ、求人はとても多く将来性があります。
今後はどうでしょうか。心配ありません。今後もパワエレエンジニアは不足し続けると予測できます。1990-2000年代くらいから理系の学生はITシフトしてしまい、電気電子工学を学んだ20-40代のエンジニアが非常に少ないのが現状です。自動車業界を中心にパワエレエンジニアが不足しています。
工学系の割合が20％、そのうち電気通信工学系30％そのうち、製造業が40％、これは業種別であってパワエレとはまた別です。職種の内訳としては、IT系SEや弱電関連の就職が大半だと思いますので、パワエレ従事者を例えば、10％と見積もっても学生全体の0.24％しかいないんです。
パワエレエンジニアが不足するのも頷けます。
人口統計から、今後の日本はさらなる働き手不足の問題に直面していくことになるため、パワエレエンジニアの市場価値はますます上昇していくことが容易に想像できます。
パワー半導体、インバータ、コンバータ関連の企業への転職で、市場価値の高いパワエレエンジニアの仲間入りを果たしませんか。
IT化にしても、電子マネーにしても日本の産業は世界に遅れてから加速的に普及する傾向があります。EVシフトは世界的な潮流です。技術開発競争などではなく、産業構造・ゲームチェンジを狙った政治的な仕組み作りが加速しています。
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